TOBIUO-KAI CATEGORIES


◆◆Information
◆◆パズル・ゲーム
◆◆発見発明挑戦アイデア
◆◆gold experience
◆◆接続
◆◆タイポグラフィ研究
◆◆フシギ☆
◆◆やわらかぁ
◆◆アゲアシトリ
◆◆共通テーマ




TOBIUO-KAI
green orange green
gold_btn gray blue
purple yellow black

2012.04.10.Tue 階段

 

早朝,ぼんやりとした暗がりの中,細い路地を歩いていると少し先に大きく長い階段を見つけた。いくら見上げても終点が見えない天まで届きそうな階段である。なんだかその階段をのぼりたくなったので,目的の場所とは違ったが,少し寄り道してみることにした。階段に向かって真っ直ぐ歩いていると,突然,真横に老婆が立っていたのでビクッとした。老婆は単に自分の家のドアのすぐそばに立っていただけなのだが,階段に気をとられていたので,突然現れたものと勘違いしてしまった。顔に深い皺が刻まれた老婆はピクリともせず背筋を伸ばして立っていた。

それからしばらくして,心臓の鼓動が落ち着き始めた頃,思った以上に遠かったが目の前に階段があるところまで到着した。ここから上を眺めても終点が見えない。少し怖くなったがせっかくここまできたので1段ずつのぼり始めようと思い,足をあげようとしたが,なぜだか足が全く動かない。右足,左足ともに動かすことができない状態でしばらくその場につっ立っていると,突然,女の人が私の横を通り過ぎ,階段をのぼっていくのが見えた。先程の老婆のようでもあり,そうでないようにもみえる。その人はどんどん上へのぼっていく。後姿を眺めただけなのではっきりとはいえないが,上にのぼっていくほどその人は生命力にあふれ若々しくなっていくように感じられた。その姿を見て自分の足があがらないことに納得し,それから階段を後ずさりしてその場を去った。階段をのぼろうとしたときには全く動かなかった足は,後方にはすんなり動いた。しばらく歩いてから振り返ってみると,あれだけ大きく高かった階段が跡形もなく消えていた。





Comment