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2012.06.08.Fri 暗がり

ホテルの一室でぐっすり眠っていると,部屋の出入り口の方から物音が聞こえた。一旦目を覚ましたが,あまりに眠かったのでベッドから身体を起こすことなくもう一度目を閉じた。数秒後やっぱり気になったので,身体を起こしてユニットバスのドアを開けると,暗がりの中,鏡に写った自分のねぼけた顔を見つけたが,その他には何も変わりはなかった。その後,何となく出入り口のドアの覗き穴を覗いてみると,なぜか真っ暗で何も見えなかった。普通なら部屋の外の通路の様子が見えるはずだが何も見えない。一度穴から離れて改めて覗いてみると,やはり見えない。しばらく覗いているとだんだん目が慣れてきて今まで見えなかったものが見えてきた。

暗闇の正体は黒目だった。通路から何者かが覗いていて,その黒目だけが見えているのだ。このことに気づいた瞬間,脇のあたりから横っ腹にかけて滴が垂れてきた。ドアを挟んで覗き穴を覗き合っている状態がしばらく続いた。さらに滴が垂れてきた。気が動転しながらも相手からは室内の様子は全く見えていないはずであることに気づいたので,音を立てないようにゆっくり覗き穴から離れベッドに潜り込んだ。布団の中で息が荒くなり落ち着くまで時間がかかったが,いつのまにかまた寝入っていた。

それからどれぐらい経ったのかはわからないが,突然,のどの辺りが締めつけられているような感じがして目を覚ました。何者かが私の喉の辺りの食道の管を片手で掴み,引っ張って取り出そうとしていた。暗くて誰なのかはわからない。両手を使って締め付けられている手を掴むとシワっぽい感覚が手の平から伝わってきた。手を引っ張って離そうとしたが,どれだけ力を入れても離れない。意識がなくなりそうなほど苦しくなってきたので,声を出そうとした。「ウーーー」声が出ない。どんどん苦しくなってくる。

もう一度,「ウーーーーーーアアアアアアアアアア」と声が出た瞬間,喉の辺りを締め付けていたシワシワの手は消えていた。





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