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2012.07.30.Mon 迷いの森

歩くことの目的としてすぐに思いつくのは2つのことである。1つは健康(体力づくり,もしくは,精神的なゆとりをつくる)のために自分の好きなコースを歩く。もう1つは目的地に行く手段として,自動車などを使うことなく自ら歩くことを選択する。場合によってはその両方を兼ねることもある。目的地に行くことが1番であるが,その途中で通るのは人通りの少ない道だったり緑がたくさんある道だったりする。


地下鉄に乗って目的地近くの駅で降り,地下から地上に続く階段をのぼりきり,目と鼻の先にお目当ての高層ビルが見えるところに立った。地下からそのビルに直結している通路もあるのだがすぐ見つけることができなかったので,一旦地上に出てから歩くことにしたのだ。階段をのぼっている時,後から思い起こせば強い風が吹いていた。

ビルの方に向かって歩き始めたが思うように道が繋がっていなかった。行き止まりになっていたり右や左に曲がっていたりして離れては近づき近づいては離れを繰り返しているうちにビルを中心にしてぐるっと回っているような感じがしてきた。なかなかたどり着かないのでビルに行くのをあきらめたところで,都会にも関わらず緑に囲まれた通りが見えたのでその道を通ってみることにした。地面はコンクリートで舗装されているが周りは緑で覆われている。先程までは蒸し暑かったがここは日陰が多く少し冷やっとする。視線を上に向けると木でビルが隠れて見えなかった。少し歩くと日向に出た。すると目の前に光の細い線が現れた。空からこちらに向かって伸びているようだ。ちょうど胸の辺りにあたっている。立ち止まって光の線の出所をたどっていくと,想像通り太陽が見えた。眩しいので直視せずに目線を前方に戻し,また歩いた。やがてその線は消えた。日陰に入ったからである。それからしばらく歩いたところでなんだか嫌な風が吹いてきたので後ろを振り向くと,


小犬を連れた人が見えた。こちらに向かってくるのではなく,後ろ姿である。すれ違ってはいないし脇道があるわけでもない。何かおかしいなと思い早足でその場を離れた。そのうち緑に覆われた通りの出口にたどり着き,完全に抜けるとまた日向に出た。ここでは光の線は見えなかったがビルは先程より遠くに見えた。

目的地からはずいぶん離れてしまったが何分かぶりにビルを見ることができてほっとした。目の前には地下鉄の駅へと続く階段があった。心地よい風が吹いていて吸い込まれるように階段をおりた。





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